誰が言い始めたのかな?
漫画家の西村しのぶさんなどもエッセイ漫画の中で描いておられたりしましたね。
他にも言っておられた方はいたかも知れない。
どういう言説かと言うと、
何かをしてもらった時、
何かをしてもらったつーのは、主に店員さんとかに…って想定だった気がするけど(違うかもだけど)、
「済みません」より「ありがとう」の方が美しい、素敵、
だから私は「ありがとう」を使うようにしています、
皆さんも「ありがとう」を言うようにしてみましょう
「ありがとう」と言う女性は美しい
みたいな、言説ですね、おおむね。
(ただ、これは、西村しのぶさんがこう言っていた、と言いたい訳ではないのでして、どういう言説かの印象を、私の、おぼろげな記憶で書いているだけです。)
で、当時は、これに影響された、特に女性の方ね、は、一定数は居たイメージです。
私、この言説を見た当時から「あっそ」って思っていたし、
今も、この言説に賛同しません。
「ありがとう」ってね、敬語ではないんですよ。
接客業スタッフからしたら、(仕事のシーンでお客に何かサポートやサービスをして差しあげて、)で、客から「ありがとう」と来るわけだが、
「ありがとう」って、敬語ではないの。
で、接客業スタッフは多くの場合、客に対して敬語だとして
スタッフ … 客に敬語
客 … スタッフに非敬語(=「ありがとう」)
という図式になるので、比較すれば、客が、序列の上から物を言ってくる形になるわけですよ……、客が「ありがとう」を言うってことは。
上から来られても、別に嬉しくはないよ。少なくとも私はね。
別に客が接客スタッフに上から来ても、いけなくもないけどね。私は、そうやって上から来られて、嬉しかったり感銘を受けたり、更には相手を「美しい」と思ったりするか、と言うと、そんなことは無かったっすよ、という話。
中には居るんかな?「ありがとう」言われて、「ワーッ、済みませんじゃなくありがとうって言われた!このお客様は素敵な女性!」ってなる接客業スタッフって……?うーん?
少なくとも私は、若い女性客とかにね、板についてない(あるいは気の張った)「ありがとう」を言われて、嬉しかったこと、しっくりきたことは、一度もないと断言できる。
言われた時の気持ちとしてはね、「あなたは、それ、やりたいのね、はいはい」ってなもんですよ。内心。
(無論、そんなの、外には出さんよ。接客業としては、ね。)
接客業時代の私からして、何かしてもらってのお礼に客から言われた「ありがとう」は、美しくも、感じ良くも、なかったって記憶です。
ほんと、「あっそ」です、「はーいはい」です。
いけない、とまでも思わんがね。(だから、言いたい人はまあ、言えばいいんじゃないの。)
それよりは「済みません」の方が、こちらは敬語ですので、
丁寧に話してくれているなということで、印象が、良かったです、「ありがとう」より、ずっと。
(客からの「ありがとうございます」「ありがとうです(?)」などは、敬語になるので、これはアリ)
なんで当時、あんな、
「済みません」は、なんも考えてない美意識のない言葉。
「ありがとう」は言われた方も嬉しい、素敵な、美意識のある言葉。
「済みません」ではなく、店員に「ありがとう」を言える女性は、りんとした、素敵な美しい女性。
みたいな図式だったのかが…、あのブームが何だったのかが、わけわからん。
まあ、何を言おうが、(暴言を吐く、ハラスメントをしてくる、とかでなければ、)
客や利用者が、どんなスタイルの言葉を言おうが、自由ですけどね。
でも、もし、さ、ある人が、さ、
「ありがとう」が「済みません」よりいいとおもって とくとくとして、得意げに、接客スタッフとかに「済みません」ではなく「ありがとう」と、「言うようにしてる」なら、それは、私から見れば、ダサいと感じるわ。
堂々たる老婦人や、堂々たる中高齢婦人などの「ありがとう」なら、それはそれで、かっこいいかも。