2024/06/11

農林水産省の元事務次官による44歳長男刺殺事件のコミケ出店エピソード

 



農林水産省の元事務次官による44歳長男刺殺事件のコミケ出店エピソード






これ、ライブドアニュースで記事になっています:

(よく見たら、「記事になっています」っていうか、記事は2019年のものでした(汗))

livedoor News - ニューストップ - ライフ総合ニュース - 

長男殺害、元農水次官の言葉「息子に才能があればアニメの世界に」


で、この記事を参照、元情報とする形で5ch嫌儲板でもスレが立っていました。

(このスレは最近に立った。私はこれをたまたま見たってわけ。)

5ch ニュース速報(嫌儲)板 スレ

父親「44歳の息子に絵の才能があれば…」 [499023373]


上記、ライブドアの記事の中で

この事件では有名なエピソードなのですが、

イラストを描くことが好きだった(?)息子のために

コミケ(コミックマーケット)に出店(正確には「サークル参加」)させて、

父親が売り子としてそれに付き添ったエピソードが出てきます(以下、上記ライブドアの記事から抜粋・引用):

>●無職でゲームをする息子、甲斐甲斐しく世話を続ける父

>以降は一人暮らしをしながら、ゲームを続ける毎日を送っていたという。熊沢被告人は代わりに通院し、処方してもらった薬を英一郎さんのもとへ届け、ファミレスで食事をするなどしてコミュニケーションを図っていた。さらには興味関心を伸ばそうという働きかけも行ってきた。

>「やはり何か目的を持たせた方がいいと考えてコミックマーケット、いわゆるコミケに出品してはどうかと申しました。2回出品し、わたしは息子に与えられたスペースの前で座って売り子をしました。その後『もうこれ以上描くことがないから止めた』と……」(熊沢被告人)


5chの上記スレではこれについて以下のようなコメントなどがついている:

>0101顔デカ 警備員[Lv.7] (ワッチョイ省略)

>垢版 | 大砲

>2024/06/10(月) 16:24:33.06ID:rW8RV6kiM

>父親が英一郎にコミケ出展を勧めて

>売り子までやってやってたのすごいよな


>0122番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です 警備員[Lv.22] (ワッチョイ省略)

>垢版 | 大砲

>2024/06/10(月) 16:32:31.35ID:rlMGFO3L0

>農水次官が子どものためにコミケで売り子してんのって愛だよな

>なのにこのひとを批判するやつは愛を知らないわ


そういう感じで、

「コミケ(という主に、オタク層かつ、どちらかと言うと若い層が主な参加者であるイベント)に、事務次官であり老齢でありながら、売り子として息子に付き添って、息子のコミケサークル参加をサポートした被告は、なかなかできない行動を息子のためにしていたし、息子に寄り添おうという思いが感じられる」

という、少し、事務次官とコミケ売り子という、そぐわない取り合わせに、「おかしみ・笑える性」を感じながらも、好意的なムードで見る、というのが、

上の5ch嫌儲の最近のスレに限らず、

この、

<熊沢被告が売り子として随伴して英一郎被害者にコミケサークル参加させたエピソード>に対する、

ネット等での感想のメジャーな風潮だったし今も大体そうだ、と私は記憶・認識してる。


そう、結末は凄惨な結果に至る事件だが、

このエピソード、「父親である被告の、息子である被害者への愛情、行動をもってして寄り添う思い」が感じられる、良いエピソード的な面として見られがちなんだ。


でも、私は、昔から、このことを知った時から、

この事件が報道され、その中でこのコミケエピソードをも読んだ時から、

「そうか?」

という思いが、ずっと、ずっとあった。


この、父親が売り子として随伴してのコミケサークル参加エピソードは、

すでにこの時点でというか、

このエピソード自体が、陰惨な性質を帯びているように私は感じられてならないんだ。


ライブドアの記事から再度、同じ部分を下記に引用する。

>「やはり何か目的を持たせた方がいいと考えてコミックマーケット、いわゆるコミケに出品してはどうかと申しました。2回出品し、わたしは息子に与えられたスペースの前で座って売り子をしました。その後『もうこれ以上描くことがないから止めた』と……」(熊沢被告人)

これ、 息子は確かにアニメ風な絵、オタク風な絵、(イラスト)を描くことはしていたんですよね。

でも、息子から、「イラスト集」(だと思うんだよね…。おそらく、だけどね。このへんは私の調べ不足で、想像で言っていて申し訳ない)、

ま、その「イラスト集」を作りたい、そしてコミケに出てみたい、コミケでイラスト集を売ってみたい、

そういう希望は、英一郎氏自身から出た、のではないんですよね。

上記ライブドアの記事にある熊沢被告の陳述からすると。


熊沢被告(父親)の方から、「コミックマーケット、いわゆるコミケに出品してはどうかと申し」ているのです。息子に対し。


私の想像だけど、被害者(熊沢被告の息子である英一郎氏)は、

アニメ風、オタク風なイラストを描くことはしていただろう。

しかしながら、イラスト集を作りたい、

そのために絵をもっと精進したい、

人に魅力的と思ってもらえるようにイラストを上手くなり、魅力的なイラスト集を作りたい、

コミケに出ることを希望の一つの目標として、それらを頑張りたい、


それは、自主的に、そこまで、ちゃんと思っていたのだろうか?


父親が、「言い出して」きたから、

「どっちでも良かったから」、受諾したんだと思う。

あくまで、「言われたから、それなら、やってもいい」ぐらいのモチベーションだったと私は想像する。


コミケに2回出たとのことですが、

それで英一郎氏が作った(多分)「イラスト集」(多分、薄い感じのイラスト集かなと想像される……、想像だけだが)。

これが、コミケ出店ブースの前を通っていく参加者の手に取られたか?

売れたか?

これは、ほぼ、手に取られなかったし、ほぼ、売れなかったと思う、私は。

まあ全部私の推測だが。

これは英一郎被害者の能力がどうとか、だけのせいではなく、見知らぬ他人が、欲しい、見てみたい、と思えるような、売れる要素を持たないと、そんなもんなので。


で、そうであっても、そこは別にいいのだ。売れなかろうが、手に取られなかろうが。

コミケってのは、売れることが至上の理想ではない場ではあるんでね。


問題は、コミケにモチベーションがあったか、なんだよ、英一郎氏自身に。

コミケに出ることで、本当に、やりたいことはあったのか?

やる気を持って、イラスト集(イラスト集かは、調べてなくて、私は分からんが、ともかく、出品するイラスト)を制作できたのか?

最初は自分から言い出したのではなく父親から「言い出」されたコミケ参加だったとしても、言われたから、やってやるか、ぐらいのスタートだったとしても、だんだんと、やる気……、今後もこれを頑張ってみたい……、そういうモチベーションを持てていったか?(これが、熊沢被告が期待していたであろう展開であった)。

これ、私、英一郎氏自身に、モチベーションはなかったと思う。

で、実際にコミケ参加の一連をやってみても、さほどの、手ごたえも、モチベーションも、無いままだった、と、思う。

コミケに出品したであろう、イラスト集にしろ、そこまで熱意を持って、イラストを制作したかどうかも、あやしいと思うんだな……。

終始、受け身の、虚無さ、が、あったのではないかと、想像される。

(逆に、強い、コミケにサークル参加することへの「嫌さ」もなかったかも知れないが。)


それもあり、2回参加をしただけで、『もうこれ以上描くことがないから止めた』(ライブドア記事の熊沢被告の陳述より)で、やめてしまっているわけだ。たった2回だけで。


言ってしまうと、結果的に言うだけなので、

後付けで私は言うだけではあるのだけれど、

この、熊沢被告がコミケ売り子をみずから任じて役目をしてまでして、英一郎被害者にコミケサークル参加をさせたことは、

英一郎氏にとっては、なににも、ならなかった。

なんのチャレンジにも進歩にもならなかった。

ただの虚無だった。

そんな気がするんだ。


じゃあ、熊沢被告が、<自分から申し出る>と言ってもいいぐらいの形で、英一郎氏に、コミケに出品してはどうかと申し出た。

これは、

・これをやったのが偉かったし良かったよね

・これをやらない方が良かったよね、これは過ちだったよね

は、どっちも私には言えない。


ただ、

思うのは、

コミケに出品してはどうかと熊沢被告が<申し出>てきた時に、

英一郎氏が「いいよ、そんなもの。そこまで、コミケに出たいとかの気はない。面倒だし、俺は出たくない」と言っていた方が、まだしも、救いがあったように思う。

それを、英一郎氏は、そうせず、

父親に申し出られたから、「言われたから、まあ、やる」みたいな感じで、出る。

この受諾の行動に、すでに、彼の、思考や、思考を組み立てて現実に反映させていく力が、まとまり、統合性を欠いてしまっていることが、見てとれるのだ、私は。

(くりかえしになり恐縮だが、)で、2回参加し、おそらく何の手ごたえも、モチベーションが刺激されることもなかったのだろう、2回で『もうこれ以上描くことがないから止めた』として辞めているし。


何にもならなかった、結局、この、熊沢被告が思いついて、<申し出>た、コミケ参加は……。

かえって、これ、虚無、索漠さ、荒廃、陰惨さ、に覆われているのだ。

この、老齢の事務次官である熊沢被告が売り子として随伴しての、英一郎氏のコミケサークル参加のエピソードは。


かかるエピソードに、コミケにまで来て「売り子」までしてくれる老いた父親、という、微笑ましさを見る気には私は、なれないのだ。

コミケというオタクの熱量のシンボルみたいな場、が、関わるからこそ、なおさらに陰惨であるとも思う、このエピソードは……。